リトミックとソルフェージュについて
「リトミック」や「ソルフェージュ」という言葉は、一度は耳にされたことがあるかもしれません。保育園や幼稚園の授業でご経験された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
リトミック(Rythmique)は、スイスの作曲家・音楽教育家であるエミール・ジャック=ダルクローズ(1865~1950)によって考えだされた音楽教育法で、体の動きと音とを結びつけた、リズムを中心とした訓練のことです。
ソルフェージュ(solfège)とは西洋音楽の学習において楽譜を読むことを中心とした基礎訓練のことをさします。どちらも広い意味においては「音楽を学ぶ者すべてが、その専門にかかわらず、修めるべき基礎訓練全般」を指します。
もう少し簡単にお話しすると、リトミックは拍に合わせて手拍子したり、音の高さや強弱に合わせて体の動きを変えるなどの身体表現を行います。リトミックを学ぶことで体全体で音楽を感じ取ること、よく聴くこと、豊かに表現することが身につきます。
ソルフェージュは、音楽大学を受験する際の試験で必ず取り入れられています。「聴音」といって、はじめて聴く音楽を五線譜の上に書き取る試験や、「新曲視聴」といってはじめて見る楽譜を歌うなどの試験があります。
どちらも、ピアノを演奏する上でとても大切な訓練になります。ピアノの演奏を学ぼうと思う時、「はやくカッコ良い難しい曲が弾けるようになりたい!」と、指の練習だけに偏ってしまいがちですが、音楽を楽しく豊かに表現するためには指のトレーニングだけでなく楽譜が早く正確に読めたり、音を正しく歌えたり、リズムをしっかり刻むなどの音楽の基礎能力が大切になってきます。ソルフェージュなどの基礎訓練は即効性には乏しいですが、長く続けることによって確実に効果が発揮され、演奏を豊かに表現する上で大きな支えになっていきます。
私自身は、小学生まではピアノ教室で演奏のあとに毎回10分程度のソルフェージュのレッスンを受け、中学からはピアノのレッスンとは別にソルフェージュの専門の教室で週2時間程度通っていました。大学でも専攻する楽器に関わらずソルフェージュは必修の科目ですので、音楽を学ぶ上での重要性がご理解頂けるかと思います。
当音楽教室では、小学校以上の生徒様にはレッスンの最後に「音当て(聴音)」や「新曲視唱」「リズム打ち」を取り入れています。リズム打ちではタンバリンやカフォンを使うなど、お子様が楽しんで取り組める工夫をしております。
小学生未満の生徒様には、新しい曲を弾く前にドレミで「歌う」ことを大切にしています。楽譜を声にだして読むことで音符を読む力や音程感が身につきます。
30分レッスンの場合、時間が限られている為ソルフェージュに多くの時間をとることが難しいのですが、今後も「弾く」だけでなく「歌う」「聴く」「体を動かす」こともバランスよく取り入れたいと思います。
ご自宅でも、「弾く」練習は勿論のこと、どんなジャンルでも構いませんので、好きな音楽を聴いたり、歌ったり時には体を動かしてみたり、音楽を体全体で表現し、楽しんで頂ければと思います。
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